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厚生労働省の特例承認の経過を精査する



南出喜久治弁護士を原告代理人とする、国を相手取った「特例承認差し止め訴訟」は、司法の場で議論されることもなく、令和4年8月2日、事実上、却下(棄却)された。道が絶たれた訳ではない(高裁に上訴する手がある)が、決着が着くまでに、膨大な時間を要する筈である。こうした時間の空費は、死者の増加に密接に関連すると考えてもいい。


本章では、我々の既刊資料「治験はまだ終わっていない ―接種という名の人体実験」より、再度以上の件に関し、指摘したいと考える。例えば、日本の規制当局である厚生労働省の、ファイザー社製の新型コロナワクチンに対する「特例承認」の問題点についてまとめる予定である。本稿を起稿するに当たって、我々は一貫して、ファイザー製の新型コロナワクチンの治験が、全く終了していない点を強調してきた。本稿では、厚生労働省の特例承認の経過を精査しつつ、論考する予定である。以上、本稿の骨子を為す論点であることを念頭に、以下に記事をまとめる。


最大の問題は「治験」が世界のいかなる場所でも終了してない事実である。ファイザー日本法人が一般的な「承認プロセス」を申請した場合、同日本法人が米国医薬品をPMDAに申請することになるが、これは極めて煩雑な手続きを要し、大変複雑で、各種の規制を熟知していなければ、一般には判断がつかない。例えば、日米欧での規制や承認プロセスの相違を考慮しなければならず、国際共同治験に関する知識を必要とし、日本の治験との関連性を含め、極めて高度な専門性を必要とする。


日本の規制当局(厚生労働省)による特例承認の最大の問題点は、厚生労働省の審議結果報告書、即ち、「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン/令和3年 2月12日(申請日 令和2年 12月18日)」に於いては、審議結果は、「医薬品医療機器等法」第14条の3第1項に基づく承認に該当する、とされている。同法では、「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病のまん延その他の健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品であり、かつ、当該医薬品の使用以外に適当な方法がないこと」と、記載されている。新型コロナウイルスの蔓延が、「国民の生命及び健康に重大な影響を与える」との認識に立ち、ファイザー社製のワクチンの使用を、「当該医薬品の使用以外に適当な方法がない」とする法解釈に立って、今回の「特例承認」に踏み切ったものと見られている。


既に、前章で見た通り、この公衆衛生危機は作為的な手段で創り出されたものである。喫緊でもなければ、危険でも無かったのである。PCRマステストのシステムが混乱を極めたのは、ドロステンテストの科学的欠陥が原因であり、ウイルスを特定するに足る設計ではなかったのが原因である。偽陽性者を大量に「感染者」に仕立てあげて、パニックを創り出したのが、真実の姿なのである。


例えば、The new England journal of Medicine に於ける、 ”Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine”と題するファイザー社側の説明では、RESULTS:BNT162b2 was 95% effective in preventing Covid-19 (95% credible interval, 90.3 to 97.6)との記載がある。即ち、ファイザー製の新型コロナワクチン(BNT162b2)は、新型コロナ感染症に対して95%の有効性が確認されたと報告されている。これが改竄されたデータであることは、先だって指摘した通りである。


例えば米国では、実際に、コミナティ(ファイザー社)の緊急使用許可は、2021/08/23までの延長が通達されていた。米国FDA(食品医薬品局)が8月23日にBioNTech/ファイザー製の「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」を承認したと伝えられたが、EUA(緊急使用許可)の延長だったと再確認出来る。ただし、米国のEUA(緊急使用許可)を考え合わせれば、日本に於いて、PMDAの通知による特例承認の条件について、大いに疑義が認められるのである。何故なら以上の事実から、コミナティ(ファイザー社)の治験は、米国でも完了している訳ではないことが判明したからである。


ファイザー社の提出データの科学的な妥当性と厚生労働省の判断について詳述する。我々は、何故「治験」にこだわるべきかと。何故なら、真に科学的、統計的、医学的な根拠は治験でしか示せないからである。治験を終えることなく薬物を「濫用」することは、我々の経験知から言っても、全く許容出来ないのである。厚生労働省及びPMDAの見解は、「国際共同治験の結果、有効性が示されている」という点に依拠しており、日本人も同様に、同じ薬剤を使用しても問題がないとの認識に、立脚していると推察される。だが、国際共同治験の各種資料が明記しているように、そうした判断が認められないことは、既知の事実である。こうしたルールの遵守は、日本の製薬企業では常識だと指摘されている。


コミナティ筋注に関する「特例承認に係る報告書」の中で、ファイザー社は以下のように説明している。開発したワクチンを使って、生体内分布を正しく調べておらず、ワクチンの代替物(ルシフェラーゼ遺伝子発現mRNA-LNP)を用いている点を、我々は指摘しておく。これには正当な理由や、科学的な妥当性があるのだろうか。生体分布に関しては、反証実験結果が存在する(コミナティを用いて、正しく生体内でのスパイク蛋白質の分布を調べた)。つまり、ファイザー社の報告とは異なり、スパイクタンパク質は血管を通じて全身に行き渡ることが指摘されている。


もう一つの指摘すべき点は、毒性試験に関してである。先ず、第一に、ファイザー社によって、新添加剤(ALC-0159、ALC-0315 及び DSPC)の毒性試験が行われていない。厚生労働省の「審議結果報告書」の中では、ファイザー社が、本剤(開発したコミナティ)の毒性試験では長期間の反復投与毒性が評価されていないことが明らかになっている。


厚生労働省の主張によれば、主な副反応は「頭痛、関節や筋肉の痛み、注射した部分の痛み、疲労、寒気、発熱等」としてあり、まれに起こる重大な副反応として「ショックやアナフィラキシー」、ごくまれに「軽症の心筋炎や心膜炎」が報告されていると、言及されている。繰り返しになるが、ここでは「死亡例」は一切記述されていない。


ここで、正確な死亡者の数を知る為に、PMDAの関連事務通知確認したが、副反応疑い報告の性別等報告件数(市販直後調査期間を含む 2021 年8月 22 日報告分まで)についての報告が記載されているが、ワクチン接種と死亡例の因果関係に関する記述は認められない。副反応疑い報告数は11,522件。そのうち死亡報告数(内数)は996人と報告している。然しながら、これは厚生労働省の公表するデータと遜色がなく、死亡例との因果関係に関する記述は認められない。


次に、迅速承認の欠点から詳述していく。薬剤の効果がある(ベネフィット)のか、または、薬剤に危険性(リスク)はないのかと言った、本質的な議論が宙に浮いたまま、膨大な数に上る患者に対して、公費で投与され続けるといった、本来の目的(感染症への対処)からズレたまま、莫大な数の人間に、薬剤が投与され続けられる可能性を、迅速承認は孕んでいる。これは転倒的な事態と言ってよく、一度市中に出回った薬剤はリコール出来ない上に、薬剤の有効性に関する真実の検証が、かなり困難になることを想定しなければならない。この種の事態は、医療倫理、そしてコスト面でも、重大な危険に繋がり兼ねない。以下に二点、迅速承認についての問題点を敷衍する。


先ず、決定的なのは、薬剤の効果が十分に検証されていないために、リスクとベネフィットが厳密には不明である点である。例えば薬剤が市場に出回ってしまうと、プラセボ比較のRCTに参加する人間が居ないため、真実の検証が益々困難になるという致命的な欠点を孕んでいるのである。ここで指摘する、リスクとベネフィットの検証過程は極めて重要であり、信頼性と妥当性が高い手法を用いて行われなければならない。そのため、通常の承認手順では、「十分な規模のプラセボ比較二重盲検 RCT」、いわゆる第 III 相試験 という科学的信頼度の高いプロセスを踏むことが求められている。


既刊資料の指摘するところによれば、特に,小さいサンプルサイズでしか臨床試験が行われていない状態では、「稀だが重篤な有害事象」が検出されていない可能性が非常に高いため,殊更注意を要するとのことである。


次に、ロールバック出来ないまま、相当長期間に渡って、薬剤の有効性と安全性に関する議論を宙に浮かせた状態で、漫然と処方され続けるという,極めて重大なリスクを背負うことになる。何故なら多くの人々にとって、プラセボ比較の RCT に参加するメリットがないために、正しい科学的なデータが採取出来ない公算が、非常に大きいのである。


最後に、この「条件付き早期承認制度」がCOVID-19対策で濫用される危険性される危険性について、懸念を記しておく。この既刊資料の著者が説くところによると、政府主導で行うべきは「迅速承認」ではなく「迅速な第 III 相試験」であると指摘している。その際には、以下の三つの要件を満たして居なければならない。


a.製薬会社と無縁の第三者機関による,持続的データ収集の義務付けが必要である。然しながら、厚生労働省の分科会のメンバーの大半が、ファイザー社から巨額の資金を得ている以上、これは事実上不可能である。


b.リスクとベネフィットの検証を継続し,政府や製薬会社、規制当局に情報公開することの義務付けが必要である。


c.いざというとき迅速に〈承認〉を一時取消できる様なブレーキ機能が必要である。


例えば米国では、実際,米国では 2020年 3月に発行した「COVID-19に対するクロロキンの EUA」を 6月には取り消している。本当は臨床的に有意な効果がないか、或いは害が上回ると後から判明しても,公費負担で処方され続ける可能性を避けるべきなのである。今、まさに、日本がそうした事態に陥っているような気がしてならない。


最後に、審査根拠となる資料(治験総括報告書など)の公表を、製薬メーカーも規制当局たる厚生労働省も、頑なに拒否している事実も併せて記しておく。こうした、不透明かつ隠蔽体質ともいうべき不健全な状況下では、正しく薬物の審査が行われている筈がない。


Scrutinize the progress of special approval from the Ministry of Health, Labor and Welfare.


I would also like to mention the fact that both pharmaceutical manufacturers and the Ministry of Health, Labor and Welfare, the regulatory authority, are stubbornly refusing to publish the materials that serve as the basis for the review (clinical study reports, etc.). Under such an unhealthy situation, which can be said to be opaque and concealed, there is no way that drugs can be properly reviewed.

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